本件は,借主側の立ち退き交渉のテクニックの一環として,賃貸人に対し,建物の不具合箇所の修繕請求をしたにすぎないように見受けられます。
控訴審で,立ち退き料の支払いと引き替えに明け渡す旨の和解が成立しています。
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賃貸人に対する建物の不具合箇所の修繕請求が棄却
された事例
(東京地判 平成26・4・22 ウエストロー・ジャパン) 畑山 雄二
不動産適正取引推進機構HP
http://www.retio.or.jp/info/pdf/97/97-106.pdf
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借主たる原告は本件漏水事故に関して,保険会社より606万円余(うち物損分461万円
余)の保険金を受領しました。
そのうえで,借主は賃貸人に対して,合計1151万円余(う
ち,家財の損失額831万円余)を請求する本件訴訟を提起しました。
裁判所は,不法行為責任,債務不履行責任,民法717条の土地工作物責任および慰謝料の請求について,いずれも理由がないとして,借主の請求を全部棄却しました。
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据付洗濯機の漏水事故による賃借人の損害につき、
賃貸人に対する損害賠償責任が否定された事例
(東京地判 平26・3・18 ウエストロー・ジャパン) 井上 雅夫
不動産適正取引推進機構HP
http://www.retio.or.jp/info/pdf/97/97-108.pdf
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居住用賃貸マンションの借主の部屋から出火し,部屋が全焼した事案です。
賃料は月6万8000円,築後30年を経過した面積14.56㎡のワ
ンルームマンションです。
出火原因は正確には不明ですが,火災保険会社の鑑定書から借主に原因ありと認定されました。
賃貸人は借主に対して,1760万円の損害賠償請求をしましたが,損害の内訳について客観的な事情が認められないとして,火災保険会社の鑑定書を基準として,286万円のみが認められました。
*借主は,借家人損害賠償責任保険に加入しておくべきでしょう。
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ワンルームマンション内で発生した火災による借主
の損害賠償責任が認定された事例
(東京地判 平26・6・16 ウエストロー・ジャパン) 新井 勇次
不動産適正取引推進機構HP
http://www.retio.or.jp/info/pdf/97/97-110.pdf
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原告が成年被後見人であることから,成年後見人が後見業務の一環として,本件訴訟を提起したような感じがします。
本件事案は,原告と被告の宅建業者(売買の仲介予定?)とは,そもそも初見の関係だったため,継続的な関係が否定され,弁護士法に違反しないと判断されたように思います。
私見としては,たとえば,家主から継続的にアパート1棟を丸ごと任されている賃貸管理業者の場合は,業務性が認められやすく,
たとえ,立ち退き交渉が無報酬でも,賃貸管理契約に基づき管理料を受領しているので,
報酬を得る目的も満たしていると判断されやすいと思います。
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宅地建物取引業者の従業員の報酬を得ず行った退去
交渉に弁護士法違反はないとされた事例
(東京地判 平26・6・13 ウエストロー・ジャパン) 中戸 康文
不動産適正取引推進機構HP
http://www.retio.or.jp/info/pdf/97/97-114.pdf
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裁判所は,本件事案では,
伝播するY1の歌声の騒音レベルが最大41
デシベル程度であること,
深夜(午後11時から翌日午前6時まで)の歌声に限って不法行為にあたるとしたこと,
結論として,年に数
回程度の歌声が不法行為にあたるとしました。
受忍限度を超えた騒音の慰謝料額として10万円,弁護士費用2万円の計12万円を認めました。
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(東京地判 平26・3・25 ウエストロー・ジャパン) 松木 美鳥
階下の住人の深夜の歌声は、上階の住人へ受忍限度
を超える騒音を伝播させたものであるとして、損害
賠償責任が認められた事例
不動産適正取引推進機構HP
http://www.retio.or.jp/info/pdf/97/97-118.pdf
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