収入の低い借主の場合は,家賃滞納のリスクが高いといえます。(他に預貯金などの資産があれば別ですが。)
国や自治体は家賃を補助するだけでしょうから,
家賃を滞納された場合,取り立て,訴訟の提起,建物明渡しの強制執行は,貸主がすることになります。
明渡しの強制執行の費用(数十万円)は,まず貸主が裁判所に立て替え払いをする必要があります。強制執行後,借主に請求できますが,収入の低い借主に支払能力はないため,結局,貸主が自腹を切ることになるのが多いのです。
収入の低い借主は,次の住まいを見つけることが難しいでしょうし,引っ越し費用の用意も難しいでしょうからから,素直に明渡しに応じるとは考えがたいといます。
仮に,明渡しに応じるとしても,引っ越し費用やゴミの処分費用を用意できないため,不要なゴミを大量に放置して出て行く可能性があります。
貸主は,いろんなリスクを加味した上で,この制度を利用するかしないか判断すべきでしょう。
空き家の所有者に対して,「現在の状態では貸せないが,リフォームをすれば,国や自治体からの家賃補助により貸せるようになりますよ。」
とのように,実際借り手が付くかどうか分からないのに,リフォームを勧める工事業者が増えそうな予感もします。
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
国土交通省は、収入が低い高齢者や子育て世帯などを対象に、民間の空き家を安く貸し出す取り組みを2017年度にも始める。
17年度予算の概算要求に関連費用を盛り込む方針だ。全国で戸建てと集合住宅を合わせた空き家は13年時点で約820万戸に上り、物件の有効活用にもつなげる。
国交省の有識者委員会が中間とりまとめ案を示した。一定の広さや耐震性がある空き家を家主が自治体に報告し、自治体が入居者を募集する。家賃は国と自治体が補助し、格安で住めるようにする。補助割合や入居対象者などの枠組みは今後、検討する。
読売新聞HP
http://www.yomiuri.co.jp/politics/20160724-OYT1T50000.html?from=ytop_ylist
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
札幌市中央区 石原拓郎 司法書士・行政書士・社会保険労務士事務所
当事務所のHP http://ishihara-shihou-gyosei.com/
TEL:011-532-5970