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賃貸マンション・アパートの退去費用・原状回復(札幌)

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2013年2月27日水曜日

未登記通行地役権と競売の買受人に関する判例

事件番号 平成23(受)1644

事件名 道路通行権確認等請求事件

 裁判年月日 平成25年02月26日  最高裁判所第三小法廷  判決

結果 破棄差戻し

判示事項 

 裁判要旨 

通行地役権者が承役地の担保不動産競売による買受人に対し地役権設定登記のされていない通行地役権を主張することができる場合

最高裁判所HP
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=83014&hanreiKbn=02

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*担保不動産競売による場合は,

特段の事情がない限り,

担保不動産競売の売却時を基準とするのではなく,

最先順位の抵当権の設定時を基準として,

未登記通行地役権の引受けの有無が判断されるようです。

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2013年2月23日土曜日

マンションの滞納管理費の回収7

マンション管理組合が滞納管理費などを回収するために,

滞納管理費などの請求権に基づき当該滞納者の区分所有権に対し競売を申し立てても,下記の問題点があります。

①そもそも,競売が不成立になると,競売費用はマンション管理組合の損失になること。

②売却基準価額は,滞納管理費などを控除した金額が設定されるので,そもそも区分所有権の評価額が低い場合は,売却基準価額がさらに低下し,競売が成立してもマンション管理組合に配当が回ってこない可能性があります。

そのため,マンション管理組合は,あらためて競落人(特定承継人)から滞納管理費などを回収することになります。

この競落人が任意に滞納管理費などを支払わないと,またこの競落人を相手に訴訟・競売を申し立てることになってしまいます。


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2013年2月13日水曜日

マンションの販売勧誘への対応策

不動産業者(宅建業者)の違法・不当な勧誘への対応策

悪質な投資用マンションや、新築分譲マンションの販売勧誘に関する相談は、相変わらず各地の消費生活センターに多く寄せられています[2013年2月12日:国民生活センター公表]。


不動産業者(宅建業者)を取り締まる法律は宅地建物取引業法です。  

以下,契約締結の勧誘等の規定である宅地建物取引業法第47条の2を取り上げます。  

消費者の対応策としては,   勧誘電話に対しては,ICレコーダー等で,勧誘業者の商号,担当者の氏名,勧誘文句などの会話内容を録音し,違法・不当勧誘の証拠を収集します。  

電話のあった日時,会話内容もメモします。  

 業者からパンフレットなど書類を受けとっていた場合は,書類も保管します。  

そのうえで,業者に対し,「勧誘を止める旨」の配達証明付の内容証明郵便を送付しましょう。 

それでも,勧誘が止まらない場合は,不動産業者(宅建業者)の監督官庁である国土交通省・都道府県に対する行政処分の申立ても検討しましょう。    


*内容証明郵便を作成する場合は,専門家(行政書士・弁護士)に依頼した方が効果的だと思います。   



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(宅地建物取引業法)  

  第四十七条の二    

宅地建物取引業者又はその代理人、使用人その他の従業者(以下この条において「宅地建物取引業者等」という。)は、宅地建物取引業に係る契約の締結の勧誘をするに際し、宅地建物取引業者の相手方等に対し、利益を生ずることが確実であると誤解させるべき断定的判断を提供する行為をしてはならない。

2  宅地建物取引業者等は、宅地建物取引業に係る契約を締結させ、又は宅地建物取引業に係る契約の申込みの撤回若しくは解除を妨げるため、宅地建物取引業者の相手方等を威迫してはならない。

3  宅地建物取引業者等は、前二項に定めるもののほか、宅地建物取引業に係る契約の締結に関する行為又は申込みの撤回若しくは解除の妨げに関する行為であつて、第三十五条第一項第十四号イに規定する宅地建物取引業者の相手方等の利益の保護に欠けるものとして国土交通省令・内閣府令で定めるもの及びその他の宅地建物取引業者の相手方等の利益の保護に欠けるものとして国土交通省令で定めるものをしてはならない。

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【宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方】

「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方について」(平成13年1月6日付け国土交通省総合政策局不動産業課長から各地方支分部局主管部長あて通達


【第47条の2第1項関係】

将来利益に関する断定的判断の提供の禁止について

宅地建物取引業に係る契約の締結の勧誘に際し、物件の値上がりが確実であるから将来の転売によって必ず一定の利益が生じるなど将来利益を断定的に提供することの禁止である。

例えば、「2~3年後には、物件価格の上昇が確実である」、「この物件を購入したら、一定期間、確実に収入が得られる。損はしない」などと告げることにより勧誘する場合が該当する。

なお、本規定は、故意であることを要しない。

また、将来利益に関する情報の提供に当たっては、将来の紛争を防止する観点から、当該宅地建物取引に関し考えられるリスクについてもあらかじめ説明することが望ましい。


【第47条の2第2項関係】

威迫行為の禁止について

契約を締結させるため、又は契約の解除若しくは申込みの撤回を妨げるため、相手方を威迫する行為の禁止である。

相手方を威迫する行為とは、脅迫とは異なり、相手方に恐怖心を生じさせるまでは要しないが、相手方に不安の念を抱かせる行為が該当する。

例えば、相手方に対して、「なぜ会わないのか」、「契約しないと帰さない」などと声を荒げ、面会を強要したり、拘束するなどして相手方を動揺させるような行為が該当する。


  【第47条の2第3項関係】

法第47条第3項の省令事項(規則第16条の12)について

1 契約締結の勧誘に関する禁止行為について(規則第16条の12第1号関係)

(1) 将来の環境、交通等の状況に係る断定的判断の提供の禁止について(イ関係)

将来の環境、交通その他の利便の状況について相手方を誤解させるべき断定的判断の提供の禁止である。

例えば、「将来南側に5階建て以上の建物が建つ予定は全くない」、「○○の位置には、国道が2~3年後に必ず開通する」というような判断を断定的に提供することを禁ずるものである。

なお、本規定は、故意であることを要しない。


(2) 契約の締結を不当に急がせる行為の禁止について(ロ関係)

正当な理由なく、契約締結の判断に通常必要と認められる時間を与えることを拒否することにより、契約の締結を不当に急がせる行為の禁止である。

例えば、契約の相手方が「契約の締結をするかどうかしばらく考えさせてほしい」と申し出た場合において、事実を歪めて「明日では契約締結はできなくなるので、今日しか待てない」と告げることが該当する。


(3) 規則第16条の12第1号ハからヘに規定する行為の禁止について

「「宅地建物取引業法施行規則の一部を改正する命令」の運用について

(平成23年9月16日国土動指第26号)」の通知において、具体的な運用に当たって留意すべき事項等を通知しているので留意すること。


2 預り金の返還の拒否の禁止について(規則第16条の12第2号関係)

相手方が契約の申込みを撤回しようとする場合において、契約の申込み時に宅地建物取引業者が受領していた申込証拠金その他の預り金について、返還を拒むことの禁止である。

例えば、「預り金は手付となっており、返還できない。」というように手付として授受していないのに手付だと主張して返還を拒むことを禁ずるものであり、預り金は、いかなる理由があっても一旦返還すべきであるという趣旨である。


3 手付放棄による契約解除の申出の拒否の禁止について(規則第16条の12第3号関係)

規則第16条の12第3号中「正当な理由」とは、売主が既に契約の履行に着手した場合、及び宅地建物取引業者により代理又は媒介が行われる取引において、宅地建物取引業者でない売主が、解約手付としての性格がないものとして手付を授受した場合が該当する。


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    【宅地建物取引業者の違反行為に対する監督処分の基準】  

最終改正平成23年10月26日    

 21.契約締結の勧誘時における将来利益に関する断定的判断の提供  

 (1)法第47条の2第1項の規定に違反して、契約の締結の勧誘をするに際し、利益を生ずることが確実であると誤解させるべき断定的判断を提供した場合((2)の場合を除く。)。  

 業務停止期間の日数 15日    

(2)(1)の場合において、当該違反行為により関係者の損害が発生した場合。 

  業務停止期間の日数 30日    


22.契約締結等を目的とした宅地建物取引業者の相手方等に対する威迫  

 (1)法第47条の2第2項の規定に違反して、契約の締結等を目的として、宅地建物取引業者の相手方等を威迫した場合((2)の場合を除く。)。  

業務停止期間の日数 15日  

 (2)(1)の場合において、当該違反行為により関係者の損害が発生した場合。  

 業務停止期間の日数 30日    


 23.契約締結の勧誘時における将来の環境又は利便に関する断定的判断の提供 

  (1)法第47条の2第3項及び規則第16条の12第1号イの規定に違反して、契約の締結の勧誘をするに際し、将来の環境又は交通その他の利便について誤解させるべき断定的判断を提供した場合((2)の場合を除く。)。 

  業務停止期間の日数 15日  

 (2)(1)の場合において、当該違反行為により関係者の損害が発生した場合。  

業務停止期間の日数 30日   


  24.契約締結の勧誘時における判断に必要な時間の付与拒否  

(1)法第47条の2第3項及び規則第16条の12第1号ロの規定に違反して、契約の締結の勧誘をするに際し、契約を締結するかどうかを判断するために必要な時間を与えることを拒んだ場合((2)の場合を除く。)。  

 業務停止期間の日数 15日  

 (2)(1)の場合において、当該違反行為により関係の損害が発生した場合。  

 業務停止期間の日数 30日    


25.勧誘に先立つて宅地建物取引業者名、担当者名、勧誘目的を告げずに勧誘  

法第47条の2第3項及び規則第16条の12第1号ハの規定に違反して、契約の締結の勧誘をするに際し、勧誘に先立って、宅地建物取引業者名、担当者名、勧誘目的を告げずに勧誘を行った場合。  

 業務停止期間の日数 7日    


26.相手方等が契約を締結しない旨等の意思表示をした場合の再勧誘 

  (1)法第47条の2第3項及び規則第16条の12第1号ニの規定に違反して、契約の締結の勧誘をするに際し、相手方等が契約を締結しない旨等の意思を表示したにもかかわらず勧誘を継続した場合((2)の場合を除く。)。  

業務停止期間の日数 15日 

  (2)(1)の場合において、当該違反行為により関係者の損害が発生した場合。  

 業務停止期間の日数 30日    


27.迷惑を覚えさせるような時間の電話又は訪問による勧誘   (1)法第47条の2第3項及び規則第16条の12第1号ホの規定に違反して、契約の締結の勧誘をするに際し、迷惑を覚えさせるような時間に電話勧誘又は訪問勧誘を行った場合((2)の場合を除く。)。  

 業務停止期間の日数 15日  

 (2)(1)の場合において、当該違反行為により関係者の損害が発生した場合。  

業務停止期間の日数 30日    


28.私生活又は業務の平穏を害する方法による契約締結の勧誘  

(1)法第47条の2第3項及び規則第16条の12第1号ヘの規定に違反して、契約の締結の勧誘をするに際し、私生活又は業務の平穏を害するような方法によりその者を困惑させた場合((2)の場合を除く。)。 

  業務停止期間の日数 15日 

  (2)(1)の場合において、当該違反行為により関係者の損害が発生した場合。 

  業務停止期間の日数 30日    


29.契約申込みの撤回時における預り金の返還拒否  

法第47条の2第3項及び規則第16条の12第2号の規定に違反して、預り金を返還することを拒んだ場合。  

 業務停止期間の日数 15日    


 30.正当な理由のない契約解除の拒否等

   法第47条の2第3項及び規則第16条の12第3号の規定に違反して、正当な理由なく、契約の解除を拒み、又は妨げた場合。  

 業務停止期間の日数 30日    


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2013年2月11日月曜日

建物賃貸借契約における一時金支払の特約と消費者契約法

建物賃貸借契約における一時金支払の特約と消費者契約法

京都大学大学院法学研究科教授 佐久間毅

(金融法務事情NO1963 2013年2月10号日 50頁~60頁)


最一小判平23.3.24
最三小判平23.7.12
最二小判平23.7.15

の比較対照表も記載されており,参考になります。


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2013年2月6日水曜日

近隣紛争をブログに記載した行為が不法行為に該当した裁判例

(事案)

被告であるマンション住人のブログの内容が,マンション隣接地にできた産業廃棄物の臨時保管所を経営する原告に対する信用を毀損するとして,

原告が被告に対し,不法行為に基づき損害賠償を請求しました。


原審では,請求が棄却されましたが,控訴審では請求が一部認容されました。


なお,判決理由中に,

「匿名の管理者による私的なウェブサイトに,控訴人の実名を挙げた上,これを揶揄し,誇張した表現でなされた本件記事の掲載・・・」

と記載されていることから,

被告のブログは,匿名だったようです。
記事の内容は当然として、度重なる削除要請にもかかわらず,約3年間にわたって掲載されていたことも損害賠償額算定の要素とされています。



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事件番号 平成24(ネ)771

事件名 損害賠償請求控訴事件

裁判年月日 平成24年12月21日

 裁判所名・部 名古屋高等裁判所 民事第4部

 結果  その他

原審裁判所名 名古屋地方裁判所 半田支部

原審事件番号 平成22(ワ)364

原審結果  棄却

 判示事項の要旨 

 自らが管理するインターネット上のブログに掲載した相手方の実名を用いた記事について,公益目的及び真実性の証明がないとして,信用毀損による損害賠償請求が認容された事例

最高裁判所HP
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=82969&hanreiKbn=04


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