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2010年2月26日金曜日

共有物の分割3

共有物の分割方法において,全面的価格賠償を認めた最高裁判決です。


原則は,現物分割ですが,


特段の事情がある場合は,


ある共有者が,他の共有者に価格賠償をすること(共有持分権を買い取ること)で,



共有状態の解消をすることができます。



事件番号  平成3(オ)1380
事件名    持分権確認並びに共有物分割
裁判年月日 平成8年10月31日
法廷名    最高裁判所第一小法廷
裁判種別  判決
結果     破棄差戻し
判例集巻・号・頁  第50巻9号2563頁

判示事項


一 いわゆる全面的価格賠償の方法による共有物分割の許否


二 共有物を取得させるべき者に賠償金の支払能力があることを確定しないでいわゆる全面的価格賠償の方法により共有物を分割した原審の判断に違法があるとされた事例


裁判要旨

一 民法二五八条により共有物の分割をする場合において、当該共有物を共有者のうちの特定の者に取得させるのが相当であると認められ、かつ、その価格が適正に評価され、当該共有物を取得する者に支払能力があって、他の共有者にはその持分の価格を取得させることとしても共有者間の実質的公平を害しないと認められる特段の事情があるときは、共有物を共有者のうちの一人の単独所有又は数人の共有とし、これらの者から他の共有者に対して持分の価格を賠償させる方法(いわゆる全面的価格賠償の方法)によることも許される。


二 共有不動産の分割をする場合において、右不動産を共有者の一人である甲に取得させるのが相当でないとはいえないとしても、甲に他の共有者に対する賠償金の支払能力がある事実を確定することなく、直ちにいわゆる全面的価格賠償の方法を採用し、右不動産を甲の単独所有とした上、甲に対して他の共有者の持分の価格の賠償を命じた原審の判断には、違法がある。


最高裁HP

http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=01&hanreiNo=25548&hanreiKbn=01


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2010年2月25日木曜日

共有物の分割2

共有物の分割は, 共有者全員の協議ですることができます。

分割方法としては,

①現物を分割する

②売却して代金を分割する

③共有者の一部が他の共有者の持分に相当する価額を弁償して持分を取得する などがあります。

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2010年2月24日水曜日

共有物の分割

各共有者は,分割禁止の特約がないかぎり,


いつでも共有物の分割を請求することができます。



*共有物分割禁止の特約の期間は,5年以内とされています。


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(共有物の分割請求)

民法
第二百五十六条
 

 各共有者は、いつでも共有物の分割を請求することができる。ただし、五年を超えない期間内は分割をしない旨の契約をすることを妨げない。
 前項ただし書の契約は、更新することができる。ただし、その期間は、更新の時から五年を超えることができない。

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2010年2月23日火曜日

共有持分権の譲渡

各共有者は,いつでも自己の共有持分権を,

他の共有者や第三者に譲渡することができます。

共有持分権を譲渡することで,共有関係から離脱することができます。

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2010年2月22日月曜日

共有物の収益



共有物から収益が発生する場合,

各共有者の持分に応じて,収益を分配します。

(例)賃貸マンションをA持分4分の3,B持分4分の1で共有している場合 賃料も,A4分の3,B4分の1で分配します。

ただし,固定資産税などの税金や修繕費などの費用も,持分に応じて負担することになります。

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(共有物の使用)
民法 第二百四十九条    
各共有者は、共有物の全部について、その持分に応じた使用をすることができる

(共有物に関する負担)
第二百五十三条  
 各共有者は、その持分に応じ、管理の費用を支払い、その他共有物に関する負担を負う。


 共有者が一年以内に前項の義務を履行しないときは、他の共有者は、相当の償金を支払ってその者の持分を取得することができる。

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2010年2月20日土曜日

共有物の使用3




少数持分権者が共有物を単独で使用できる権限がない場合は,

他の共有者(多数持分権者)は,各自の共有持分権に応じて,

単独使用する共有者に対し,

賃料相当額を,不当利得金または損害賠償金として請求できます。




しかし,賃料相当額を請求できない場合があります。

(例)甲住宅の被相続人A,Aと同居している相続人B,別居しているC

Aが亡くなったとき,

通常,AはBに対して甲住宅の使用貸借権(無償で使用できる権利)を付与していたと解されます。

よって,(遺産分割協議が成立するまでの期間は)CはBに対して賃料相当額を請求できません。


事件番号  平成5(オ)1946
事件名   土地建物共有物分割等
裁判年月日 平成8年12月17日
法廷名    最高裁判所第三小法廷
裁判種別   判決
結果 破棄差戻し
判例集巻・号・頁 第50巻10号2778頁
原審裁判所名


判示事項


 遺産である建物の相続開始後の使用について被相続人と相続人との間に使用貸借契約の成立が推認される場合


裁判要旨
 共同相続人の一人が相続開始前から被相続人の許諾を得て遺産である建物において被相続人と同居してきたときは、特段の事情のない限り、被相続人と右の相続人との間において、右建物について、相続開始時を始期とし、遺産分割時を終期とする使用貸借契約が成立していたものと推認される。




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なお,下記は内縁夫婦の事例です。


事件番号 平成6(オ)1900
事件名  不当利得返還
裁判年月日 平成10年02月26日
法廷名    最高裁判所第一小法廷
裁判種別   判決
結果      破棄差戻し
判例集巻・号・頁  第52巻1号255頁



判示事項


 
 内縁の夫婦による共有不動産の共同使用と一方の死亡後に他方が右不動産を単独で使用する旨の合意の推認







裁判要旨



 内縁の夫婦がその共有する不動産を居住又は共同事業のために共同で使用してきたときは、特段の事情のない限り、両者の間において、その一方が死亡した後は他方が右不動産を単独で使用する旨の合意が成立していたものと推認される。


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2010年2月19日金曜日

共有物の使用2

共有物の少数持分権者が,

単独で,共有物を使用している場合でも,

多数持分権者が,当然に共有物の明渡しを求めることはできません。


しかし,少数持分権者が共有物を単独で使用できる権限がない場合は,

他の共有者(多数持分権者)は,各自の共有持分権に応じて,

単独使用する共有者に対し,

賃料相当額を,不当利得金または損害賠償金として請求できます。


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2010年2月18日木曜日

共有物の使用

各共有者は,共有物の全部について,その持分に応じた使用をすることができます。

そのため,少数持分権者が,単独で,共有物を使用している場合でも,

多数持分権者が,当然に共有物の明渡しを求めることはできません。


事件番号 昭和38(オ)1021
事件名 土地所有権確認等請求および反訴請求
裁判年月日 昭和41年05月19日
法廷名 最高裁判所第一小法廷
裁判種別 判決
判例集巻・号・頁 第20巻5号947頁


判示事項

共有物の持分の価格が過半数をこえる者が共有物を単独で占有する他の共有者に対して共有物の明渡請求をすることができるか。

裁判要旨

共有物の持分の価格が過半数をこえる者は、共有物を単独で占有する他の共有者に対し、当然には、その占有する共有物の明渡を請求することができない。

最高裁判所HP
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=01&hanreiNo=28018&hanreiKbn=01


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2010年2月17日水曜日

不動産の共有(共同所有)

不動産を共同所有する原因としては,

①共同相続による場合

②共同して不動産を買う場合

が多いと思います。


①1:遺言により,ある相続人が単独で,ある不動産を相続する場合,

 2:相続人が1人しかいない場合,

 3:遺産分割協議により,ある相続人のみが,ある不動産の相続人になる場合を除いて,

共同相続した不動産は,共同相続人で共有することになります。


②:夫婦共同で,または,親子で,住宅ローンを組んで不動産を買う場合など


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2010年2月9日火曜日

賃料の増額請求

借家契約において,

家主が,賃料の増額を請求してきた場合で,

賃借人が,その請求を納得できないときは,

賃借人が相当と認める賃料額を

(通常,家主は従前賃料額の受取りを拒否するので)

家主の住所地の法務局に供託することになります。



増額請求に納得できないし,

従前賃料額を家主が受け取らないからといって,

賃料を不払いにすることはできません。


最終的には,裁判所が適正賃料額を決定します。

もし,賃借人の供託した賃料額が,

裁判所の決定した賃料額に満たない場合は,

不足額に年1割の利息をつけることになります。

*供託実務においては,供託金額は,従前賃料額以上の金額でなければ,供託できません。


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借地借家法

(借賃増減請求権)
第三十二条
 
建物の借賃が、土地若しくは建物に対する租税その他の負担の増減により、土地若しくは建物の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により、又は近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となったときは、契約の条件にかかわらず、当事者は、将来に向かって建物の借賃の額の増減を請求することができる。ただし、一定の期間建物の借賃を増額しない旨の特約がある場合には、その定めに従う。

 建物の借賃の増額について当事者間に協議が調わないときは、その請求を受けた者は、増額を正当とする裁判が確定するまでは、相当と認める額の建物の借賃を支払うことをもって足りる。ただし、その裁判が確定した場合において、既に支払った額に不足があるときは、その不足額に年一割の割合による支払期後の利息を付してこれを支払わなければならない。

 建物の借賃の減額について当事者間に協議が調わないときは、その請求を受けた者は、減額を正当とする裁判が確定するまでは、相当と認める額の建物の借賃の支払を請求することができる。ただし、その裁判が確定した場合において、既に支払を受けた額が正当とされた建物の借賃の額を超えるときは、その超過額に年一割の割合による受領の時からの利息を付してこれを返還しなければならない。


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2010年2月2日火曜日

市街化調整区域

市街化調整区域は,市街化を抑制する区域として定められています。



原則として,建築物を建てることができません。



したがって,土地の価格も安いです。



「将来は,市街化区域になるので,今のうちに買えば得します。」



との勧誘文句がありますが,



信用することは,できません。



目的にもよりますが,一般の方は,手を出さない方がよいでしょう。







*なお,平成16年(2004年)に策定された札幌市都市計画マスタープランでは、



市街地の範囲は現状の市街化区域内とすることを基本としています。



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札幌市 宅地課HP

市街化調整区域について

http://www.city.sapporo.jp/toshi/takuchi/toshikei/tyouseikuiki.html





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不動産と強制執行(競売)

Aさんが,Bさんに100万円を貸しました。

しかし,Bさんは約束の期限になっても返してくれません。

Bさんは,不動産を所有しています。

その不動産の登記事項証明書を見たところ,

幸い,担保権は設定されておらず,税金滞納の差押えもありません。

ただし,Aさんがその不動産に対し,強制執行(競売)をしようと思っても,

現状ではできません。

以下,原則の順序を記します。(例外もあります)

①裁判所に,AさんがBさんに対する貸金返還請求訴訟を提起する。

②裁判所から,Aさん勝訴の判決をもらう。

③裁判所に,Aさん勝訴の判決書を提出し,強制執行の申立てをする。

④強制執行手続きに問題なければ,不動産の売却に進む。

⑤不動産の買受人が現れた場合は,売却代金により,Aさんは貸金および執行費用を回収できる。

(上記は,簡略化してあります。)

*貸金について,不動産に抵当権設定登記をしておくと,

訴訟を省略して,抵当権を設定した不動産への強制執行(競売)が可能になります。

*貸金契約書を公正証書にしておくと,,

訴訟を省略して,強制執行(競売)が可能になります。

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