ブログ記載時の法律に基づいています。具体的な事件については,必ず専門家にご相談ください。 司法書士・行政書士・社会保険労務士 石原拓郎
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2014年9月26日金曜日
賃料増減確認請求訴訟判決の既判力に関する判例
甲は,平成16年3月29日,乙に対し,平成16年4月1日から月額賃料240万に減額する旨の意思表示をした。
甲は,平成17年6月8日,月額賃料が240万であることの賃料減額確認請求訴訟を提起した(前件本訴)。
乙は,平成17年7月27日,甲に対し,平成17年8月1日から月額賃料320万円に増額する旨の意思表示をした。
乙は,平成17年9月6日,前件本訴に対し,反訴として月額賃料が320万円であることの賃料増額確認請求訴訟を提起した(前件反訴)。
乙は,平成19年6月30日,甲に対し,平成19年7月1日から月額賃料360万円に増額する旨の意思表示をした。
第一審は,平成20年6月11日,前件本訴について,平成16年4月1日から月額賃料254万円であることを確認するなどの限度で請求を認容し,前件反訴について,請求を全部棄却した(前訴判決)。
控訴審は,平成20年10月9日,口頭弁論を終結し,平成20年12月10日,前訴判決は控訴棄却により確定した。
乙は,平成23年4月28日,平成19年7月1日から月額が賃料360万円であることの賃料増額確認請求訴訟を提起した(本件訴訟)。
甲は,本件賃料増額請求の効果は平成19年7月1日に生じるところ,前件訴訟の口頭弁論終結時(平成20年10月9日)以前であり,前訴判決の既判力に抵触するとして争った。
最高裁判所は,賃料増減請求確認訴訟の確定判決の既判力は,特段の事情がない限り,前提となる賃料増減請求の効果が生じた時点(前件本訴は平成16年4月1日時点,前件反訴は平成17年8月1日時点)の賃料額に係る判断について生じているにすぎず,本件訴訟は,賃料増額請求の効果が生じた平成19年8月1日時点の賃料額を争うものであり,前訴判決の既判力に抵触しないと判断した。
最高裁判所HP
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=84488
固定資産税の賦課決定処分に関する判例
甲は,平成21年12月7日,家屋を新築し,
甲は,平成22年10月8日,平成21年12月7日新築の表題登記をしたところ,
市長が,平成22年12月1日,本件家屋について家屋課税台帳に甲を所有者として登録し,甲に対して平成22年度の固定資産税の賦課決定処分をした。
最高裁判所は,賦課期日である平成22年1月1日時点において,甲は所有者として登記または登録されていないが,賦課期日後賦課決定処分時までに,賦課期日現在の所有者として登記または登録されているので,市長の甲に対する平成22年度の固定資産税の賦課決定処分を適法とした。
最高裁判所HP
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=84489
甲は,平成22年10月8日,平成21年12月7日新築の表題登記をしたところ,
市長が,平成22年12月1日,本件家屋について家屋課税台帳に甲を所有者として登録し,甲に対して平成22年度の固定資産税の賦課決定処分をした。
最高裁判所は,賦課期日である平成22年1月1日時点において,甲は所有者として登記または登録されていないが,賦課期日後賦課決定処分時までに,賦課期日現在の所有者として登記または登録されているので,市長の甲に対する平成22年度の固定資産税の賦課決定処分を適法とした。
最高裁判所HP
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=84489
事件番号
平成25(行ヒ)35
事件名
固定資産税等賦課取消請求事件
裁判年月日
平成26年9月25日
法廷名
最高裁判所第一小法廷
裁判種別
判決
結果
破棄自判
判例集等巻・号・頁
原審裁判所名
東京高等裁判所
原審事件番号
平成24(行コ)89
原審裁判年月日
平成24年9月20日
判示事項
裁判要旨
土地又は家屋につき,賦課期日後賦課決定処分時までに登記簿又は土地補充課税台帳若しくは家屋補充課税台帳に賦課期日現在の所有者として登記又は登録されている者は,当該賦課期日に係る年度における固定資産税の納税義務を負う
2014年9月5日金曜日
NHKの受信料の支払い義務の消滅時効は5年(最高裁判決)
なお,NHKは,消滅時効の援用がなければ,すべての契約期間の受信料を請求するようです。
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当事務所のHP http://ishihara-shihou-gyosei.com
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最高裁判所HP
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=84446
事件番号
平成25(受)2024
事件名
放送受信料請求事件
裁判年月日
平成26年9月5日
法廷名
最高裁判所第二小法廷
裁判種別
判決
結果
棄却
判例集等巻・号・頁
判示事項
裁判要旨
日本放送協会の放送の受信についての契約に基づく受信料債権の消滅時効期間は,民法169条により5年と解すべきである
2014年9月3日水曜日
借地上の建物の建物買取請求権
借地上建物の建物買取請求権は,借地契約が契約期間満了により終了し,借地契約が更新されない場合に,借地人が行使できる権利です(形成権)。
したがって,借地契約の契約期間の途中で解除する(=中途解約)場合は,建物買取請求権は発生しません。
中途解約をする場合は,原則として,土地賃貸人と借地人との合意解除(=合意解約)ということになります。
借地契約を合意解除した場合は,建物買取請求権の放棄の意思表示があったものと解されます(最判昭29年6月11日判タ41号31頁,最判昭39年3月31日判タ164号70頁)。
借地契約の特約として,中途解約の場合には,土地賃貸人が借地上の建物を買い取る旨の合意がなければ,借地人は建物の買取請求をすることができません。
よって,借地人が中途解約する場合は,特約がない限り,建物買取請求権を行使することはできず,借地人は原状回復義務により,借地上の建物を取り壊して,更地にして返還する必要があります。
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したがって,借地契約の契約期間の途中で解除する(=中途解約)場合は,建物買取請求権は発生しません。
中途解約をする場合は,原則として,土地賃貸人と借地人との合意解除(=合意解約)ということになります。
借地契約を合意解除した場合は,建物買取請求権の放棄の意思表示があったものと解されます(最判昭29年6月11日判タ41号31頁,最判昭39年3月31日判タ164号70頁)。
借地契約の特約として,中途解約の場合には,土地賃貸人が借地上の建物を買い取る旨の合意がなければ,借地人は建物の買取請求をすることができません。
よって,借地人が中途解約する場合は,特約がない限り,建物買取請求権を行使することはできず,借地人は原状回復義務により,借地上の建物を取り壊して,更地にして返還する必要があります。
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