注目の投稿

賃貸マンション・アパートの退去費用・原状回復(札幌)

◇ 退去費用・原状回復(現状回復)費用・敷金返還のご相談・ご依頼を承っております。 法テラスの相談援助が利用できる場合は,3回までの相談料は無料になります。借主の場合,資産要件を満たすことが多いため,相談援助を利用ができる場合が多いと思います。 家主の高額な請求金額をその...

2014年9月26日金曜日

賃料増減確認請求訴訟判決の既判力に関する判例



甲は,平成16年3月29日,乙に対し,平成16年4月1日から月額賃料240万に減額する旨の意思表示をした。


甲は,平成17年6月8日,月額賃料が240万であることの賃料減額確認請求訴訟を提起した(前件本訴)。


乙は,平成17年7月27日,甲に対し,平成17年8月1日から月額賃料320万円に増額する旨の意思表示をした。


乙は,平成17年9月6日,前件本訴に対し,反訴として月額賃料が320万円であることの賃料増額確認請求訴訟を提起した(前件反訴)。


乙は,平成19年6月30日,甲に対し,平成19年7月1日から月額賃料360万円に増額する旨の意思表示をした。


第一審は,平成20年6月11日,前件本訴について,平成16年4月1日から月額賃料254万円であることを確認するなどの限度で請求を認容し,前件反訴について,請求を全部棄却した(前訴判決)。


控訴審は,平成20年10月9日,口頭弁論を終結し,平成20年12月10日,前訴判決は控訴棄却により確定した。


乙は,平成23年4月28日,平成19年7月1日から月額が賃料360万円であることの賃料増額確認請求訴訟を提起した(本件訴訟)。


甲は,本件賃料増額請求の効果は平成19年7月1日に生じるところ,前件訴訟の口頭弁論終結時(平成20年10月9日)以前であり,前訴判決の既判力に抵触するとして争った。


最高裁判所は,賃料増減請求確認訴訟の確定判決の既判力は,特段の事情がない限り,前提となる賃料増減請求の効果が生じた時点(前件本訴は平成16年4月1日時点,前件反訴は平成17年8月1日時点)の賃料額に係る判断について生じているにすぎず,本件訴訟は,賃料増額請求の効果が生じた平成19年8月1日時点の賃料額を争うものであり,前訴判決の既判力に抵触しないと判断した。




最高裁判所HP
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=84488
事件番号
 平成25(受)1649
事件名
 建物賃料増額確認請求事件
裁判年月日
 平成26年9月25日
法廷名
 最高裁判所第一小法廷
裁判種別
 判決
結果
 破棄差戻
判例集等巻・号・頁
原審裁判所名
 東京高等裁判所
原審事件番号
 平成23(ネ)5264
原審裁判年月日
 平成25年4月11日
判示事項
裁判要旨
 賃料増減額確認請求訴訟の確定判決の既判力は,原告が特定の期間の賃料額について確認を求めていると認められる特段の事情のない限り,前提である賃料増減請求の効果が生じた時点の賃料額に係る判断について生ずる