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2010年12月20日月曜日

定期借家契約の締結

定期借家契約を締結する場合,




定期借家契約の契約書だけでなく,


契約締結前(契約書の作成前)に


次の内容の書面(借地借家法38条2項所定の書面)の交付および口頭の説明が必要になります。


賃貸人から賃借人に対し,


「この契約は,契約の更新がなく,


期間の満了により当該建物の賃貸借契約は終了する。」,旨の


書面の交付および口頭による説明が必要になります。


なお,契約書と借地借家法38条2項所定の書面は,別々に作成します。


そして,上記2つの書類は,両方とも保管しておきましょう。


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参考判例:




 平成22年07月16日 最高裁判所第二小法廷判決


判示事項


賃貸人から賃借人に対して借地借家法38条2項所定の書面の交付があったとした原審の認定に経験則又は採証法則に反する違法があるとされた事例


裁判要旨


 賃貸人が定期建物賃貸借契約の締結に先立ち説明書面の交付があったことにつき主張立証をしていないに等しいにもかかわらず,賃貸借契約に係る公正証書に説明書面の交付があったことを相互に確認する旨の条項があり,賃借人において上記公正証書の内容を承認していることのみから,借地借家法38条2項において賃貸借契約の締結に先立ち契約書とは別に交付するものとされている説明書面の交付があったとした原審の認定には,経験則又は採証法則に反する違法がある。




最高裁判所HP http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=02&hanreiNo=80459&hanreiKbn=01






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2010年12月19日日曜日

借地権5

借地法および借地借家法上,




建物の所有を目的とする地上権および賃借権のことを


借地権といいます。


対して,利用対価である地代を支払わない使用貸借権は,


その法的保護が格段に弱くなります。


①借主が死亡すれば,使用貸借権は消滅します。


②土地所有者である貸主が,その土地を第三者に売却すると,


第三者に対し,その土地の使用貸借権を主張できません。


←その土地から出て行くことになります。


③契約期間の定めがある場合,


その契約期間の満了により,使用貸借権は消滅します。


←借地権の場合は,原則として契約が更新されます。


④契約期間も使用目的も定めていない場合,


貸主は,いつでも,契約の終了を通知できます。


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2010年12月18日土曜日

借地権4

借地法および借地借家法上,




建物の所有を目的とする地上権および賃借権のことを


借地権といいます。


もうひとつ,建物の所有を目的とする土地利用権として


使用貸借権があります。


地上権および賃借権との違いは,


土地の利用対価として,貸主に地代を払うかどうかです。


地代を払わない場合は,使用貸借ということになります。


また,地代を払う場合でも,その金額が


土地の固定資産税に満たないとき,


その地域の地代の金額と比較して,はるかに安いときは,


使用貸借になります。


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2010年12月17日金曜日

借地権3

借地法および借地借家法上,


建物の所有を目的とする地上権および賃借権のことを


借地権といいます。


したがって,建物の所有を目的としないような土地使用権は,


借地法および借地借家法が適用されません。


(例)


駐車場を借りる契約


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2010年12月16日木曜日

借地権2

建物の所有を目的とする地上権及び賃借権を規定する法律は,


民法ではなく,原則として,借地法または借地借家法が適用されます。


借地法は,平成4年7月31日以前に借地契約を締結した場合に適用されます。


借地借家法は,平成4年8月1日以後に借地契約を締結した場合に適用されます。


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借地法


(大正10年4月8日法律第49号)


第1条 本法ニ於テ借地権ト称スルハ建物ノ所有ヲ目的トスル地上権及賃借権ヲ謂フ


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借地借家法


(平成三年十月四日法律第九十号)


(趣旨)


第一条  この法律は、建物の所有を目的とする地上権及び土地の賃借権の存続期間、効力等並びに建物の賃貸借の契約の更新、効力等に関し特別の定めをするとともに、借地条件の変更等の裁判手続に関し必要な事項を定めるものとする。


(定義)


第二条  この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。


一  借地権 建物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借権をいう。


二  借地権者 借地権を有する者をいう。


三  借地権設定者 借地権者に対して借地権を設定している者をいう。


四  転借地権 建物の所有を目的とする土地の賃借権で借地権者が設定しているものをいう。


五  転借地権者 転借地権を有する者をいう。


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2010年12月15日水曜日

借地権

建物の所有を目的とする地上権(物権)や賃借権(債権)のことを

総称して借地権といいます。

土地の所有者(地主=借地権設定者)から,

土地を借りた人(賃借人=借地権者)が,

その土地上に建物を建てます。

通常は,自己の居住用建物を建てます。

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2010年12月14日火曜日

相続放棄と登記2

相続放棄の効力は,絶対的とされています。


よって,相続放棄をした相続人の債権者が,


相続放棄に対し,


詐害行為取消権を行使することはできません。


←詐害行為取消権により,相続放棄の効力を覆えらせることはできません。






*遺産分割協議の場合は,


経済的に不利益を受ける相続人の債権者は,


遺産分割協議の内容に対して,


詐害行為取消権を行使できる場合があります。


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2010年12月13日月曜日

相続放棄と登記

相続放棄の効力は,だれに対しても主張できます。


よって,相続放棄をした相続人の法定相続分を差し押さえても,


その差押えは無効になります。




*相続放棄をした相続人は,


相続開始時に遡って,相続人ではなかった者として扱われます。


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 昭和42年01月20日 最高裁判所第二小法廷 判決 民集 第21巻1号16頁


判示事項 相続放棄と登記


裁判要旨 相続人は、相続の放棄をした場合には相続開始時にさかのぼつて相続開始がなかつたと同じ地位に立ち、当該相続放棄の効力は、登記等の有無を問わず、何人に対してもその効力を生ずべきものと解すべきであつて、相続の放棄をした相続人の債権者が、相続の放棄後に、相続財産たる未登記の不動産について、右相続人も共同相続したものとして、代位による所有権保存登記をしたうえ、持分に対する仮差押登記を経由しても、その仮差押登記は無効である。




最高裁判所HPhttp://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=01&hanreiNo=54027&hanreiKbn=01


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2010年12月12日日曜日

遺言と登記2

遺言者が,


「特定不動産を特定相続人に,相続させる」旨の遺言をしたが,


他の相続人の遺留分を侵害してることがあります。


遺留分を侵害した遺言であっても,法律上は有効です。


(ただし,遺留分を侵害された相続人が,遺留分減殺請求をしてきた場合,


その遺留分に相当する部分について,現物または現金で返還することになります。)


遺留分を侵害する遺言内容でも,


とりあえず,その遺言内容にしたがって,


不動産を特定相続人名義に変更すべきだと考えます。


とりあえず,不動産登記簿上に所有者と記載されることにより,


遺産争いの主導権を握ることができると考えられるからです。


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2010年12月11日土曜日

遺言と登記

遺言者が,

 
「特定の不動産を特定の相続人に相続させる」,旨の遺言をした場合,


遺言者の死亡と同時に特定不動産の所有権が特定相続人に移転し,


特定相続人の所有権は,不動産の名義変更がなくても,


遺言者の相続人だけでなく,第三者に対しても主張できます。


(遺贈の場合は,第三者には,不動産の名義変更がなければ,所有権を主張できません。)




*ただし,トラブルを避けるため,できるだけ早く,名義変更をしておくべきです。


*本件の場合は,遺言者の相続人全員の協力がなくても,遺言執行者の定めがなくても,
特定相続人のみで,不動産の名義変更ができます。


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2010年12月10日金曜日

遺産分割と登記3

遺産分割協議は,


協議内容が不当な結果をもたらす場合は,


相続人の債権者から詐害行為取消権の行使をうけて,


その限度で,否定される場合があります。


(例)


相続財産は不動産のみで時価1000万円,共同相続人A,B,


BはCから500万円借金をしており,Bはめぼしい財産をもっていない。


Bが不動産につき,法定相続分である2分の1の所有権をもらっても,


Cに差し押さえられる可能性があるので,


遺産分割協議で,不動産はAの単独所有とすることがあります。


しかし,それは,Bの債権者Cの権利を害することになります。


そこで,Cは,その遺産分割協議に対して,詐害行為取消権を行使できる場合があります。


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 平成11年06月11日  最高裁判所第二小法廷 判決  民集 第53巻5号898頁


判示事項 遺産分割協議と詐害行為取消権


裁判要旨 共同相続人の間で成立した遺産分割協議は、詐害行為取消権行使の対象となる。




最高裁判所HPhttp://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=01&hanreiNo=52217&hanreiKbn=01


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2010年12月9日木曜日

遺産分割と登記2

遺産分割協議の結果,


共同相続人のうち,ある相続人の単独名義にすることを決定したが,


遺産分割協議に基づいた名義変更をしない間に,


他の相続人が法定相続分にしたがった名義変更(相続登記)をし,


自己の法定相続分を第三者に売却し,名義も第三者に変更された場合。


遺産分割協議の結果,単独名義になる予定の相続人は,


第三者に売却された法定相続分の部分については,


所有権を主張できません。


(例)


不動産甲につき,共同相続人A,Bがいて,


遺産分割協議の結果,Bが単独所有することに決まったが,


その名義変更の前に,


Aが法定相続分にもとづいた,所有権AB各2分の1の名義変更をし,


Aが自己の2分の1を第三者Cに売却し,名義もCに変更した場合,


Bは,自己の法定相続分である2分の1ついては,


Cに所有権を主張できますが,


Aの法定相続分に該当する残り2分の1については,


Cに所有権を主張できません。


*法定相続分に基づく名義変更は,共同相続人のうち1人のみで,行うことができます。


また,共同相続人のうち1人に対する債権者は,


その1人が法定相続分に基づく名義変更をする意図がなくても,


その1人に代わって,法定相続分に基づく名義変更をしたうえで,


その1人の法定相続分を差し押さえることができます。


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 昭和46年01月26日  最高裁判所第三小法廷  判決  民集 第25巻1号90頁


判示事項 遺産分割と登記


裁判要旨 相続財産中の不動産につき、遺産分割により権利を取得した相続人は、登記を経なければ、分割後に当該不動産につき権利を取得した第三者に対し、法定相続分をこえる権利の取得を対抗することができない。


最高裁判所HPhttp://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=01&hanreiNo=53191&hanreiKbn=01

2010年12月8日水曜日

遺産分割と登記

遺産分割協議をしていないにもかかわらず,


共同相続人の1人が,


勝手に,不動産を自分の単独名義にしたうえで,


第三者に売却し,第三者の名義に変更された場合。


権利を侵害された他の共同相続人は,


自己の法定相続分の所有権については,


第三者に主張することができます。


(例)


不動産甲につき,共同相続人A,Bがいたが,Aが勝手にA単独名義にして,


Cに不動産甲を売却し,C名義に変更した場合。


Bは,自己の法定相続分である甲不動産の所有権の2分の1については,


Cに対し,自分の所有権であることを主張できます。


CはAから,Aの法定相続分である2分の1ついては,有効に取得しましたが,


残りの2分の1については,Bの所有権であり,有効に取得していないからです。




*Aが勝手にA単独名義にしたのが問題です。


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昭和38年02月22日最高裁判所第二小法廷  判決  民集 第17巻1号235頁


判示事項


一 共同相続と登記。


二 共有持分に基づく登記抹消請求の許否。


三 当事者が所有権取得登記の全部抹消を求めている場合に更正登記を命ずる判決をすることの可否。




裁判要旨


一 甲乙両名が共同相続した不動産につき乙が勝手に単独所有権取得の登記をし、さらに第三取得者丙が乙から移転登記をうけた場合、甲は丙に対し自己の持分を登記なくして対抗できる。


二 右の場合、甲が乙丙に対し請求できるのは、甲の持分についてのみの一部抹消(更正)登記手続であつて、各登記の全部抹消を求めることは許されない。


三 右の場合、甲が乙丙に対し右登記の全部抹消登記手続を求めたのに対し、裁判所が乙丙に対し前記一部抹消(更正)登記手続を命ずる判決をしても、民訴法第一八六条に反しない。


最高裁HPhttp://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=01&hanreiNo=53697&hanreiKbn=01


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2010年12月7日火曜日

相続と登記4

不動産を売買する場合,


所有者全員の同意が必要になります。


共有不動産の場合,


共有者全員の同意が必要になります。


建物を建て替える場合も,建物の共有者全員の同意が必要です。


何かをするときに,共有者全員の同意をもらうことは困難を伴います。


よって,遺産分割協議において,


不動産は,単独所有にしましょう。


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2010年12月6日月曜日

相続と登記3

遺産分割協議により,不動産の名義を変更するときに,


所有者を単独=単有ではなく,


複数にして,共有にすることも可能です。


しかし,共有にすると,


売買のときや,


他の共有者が死亡したときに,共有者の共同相続人の間で揉めることもありますので,


共有にする場合は,共有者の人数は,なるべく少なくしましょう。




*共有持分が少ない人は,法律上は,その持分に比例して弱いのですが,


事実上は,ほんの少しでも共有持分を持っていると,強みを発揮しますので,


なるべく共有は避けましょう。


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2010年12月5日日曜日

相続と登記2

相続が発生した場合で,


遺言書がないときは,


共同相続人が,法定相続分にしたがって,


相続財産である不動産を共有します。


原則論からいうと,


不動産につき,


①法定相続分による共同相続人全員への名義変更(相続登記)をし,


②つぎに,共同相続人全員の遺産分割協議により,


あらためて,単独名義または共有者名義の名義変更(相続登記)をします。


ただし,①を省略し,直接②をすることが可能なので,


通常は,①を省略し,直接②をする方が多いようです。




*①は,共同相続人のだれでもできます。
*②は,共同相続人全員の同意が必要です。

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2010年12月4日土曜日

相続と登記

相続が発生した場合,


遺言書がないときは,


共同相続人が,法定相続分にしたがい,


相続財産である不動産を共有します。


自分の法定相続分は,他の共同相続人に対し,


不動産の名義変更をしなくても,当然に主張できます。


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2010年12月3日金曜日

遺贈と登記3

相続人でない人に遺贈する場合,


遺贈された不動産の名義変更につき,


遺贈者の相続人が協力しないことが圧倒的です。


(名義変更には,原則として遺贈者の相続人全員の印鑑証明書が必要になります。)


そこで,遺言で遺言執行者の定めをしておけば,


遺贈者の相続人全員の協力がなくても,


不動産の名義を受遺者に変更することができます。


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2010年12月2日木曜日

遺贈と登記2

受遺者は,遺贈者の相続人に対しては,


不動産を受遺者名義に変更しなくても,


不動産の所有権を主張できます。


しかし,遺贈者の相続人が,不動産を第三者(買主)に売却すると,


不動産を受遺者名義に変更しないと,


不動産の所有権を第三者(買主)に主張できません。


(例)


遺贈者→(遺贈)→受遺者

(相続)

相続人

(売買)

買主


*不動産の二重譲渡と同じ関係になり,


受遺者または買主のうち,先に不動産の名義を備えた方が勝ちます。


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2010年12月1日水曜日

遺贈と登記

遺贈者(遺言をした人)が,


相続人でない受遺者(遺言により財産をもらう人)に,


不動産を遺贈する場合。


受遺者は,遺贈者の相続人に対しては,


不動産名義を受遺者に変更しなくても,


不動産の所有権を主張できます。


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2010年11月30日火曜日

贈与と登記3

贈与者(あげた人)が,不動産を贈与したところ,


受贈者(もらった人)と仲が悪くなって,


贈与を撤回したいということがあります。


しかし,不動産を引き渡している場合,

不動産名義を受贈者名義にしている場合は,


原則として,贈与を撤回できません。


*受贈者が撤回に合意すれば,撤回することはできますが・・・




*受贈者は,贈与してもらった不動産を売却することもできますし,不動産を担保にお金を借りることもできます。


贈与したが,その後,贈与者の思ったとおりにならないこともありますので,


贈与は,よくよく考えて実行しましょう。

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2010年11月29日月曜日

贈与と登記2

贈与は,受贈者(もらった人)に贈与税が課税されます。


贈与税の税率は高いです。


贈与税のことを念頭に置いておかないと,

あとになってから,税務署からの通知に驚くことになります。

贈与税の支払いに困って,


受贈者と贈与者の合意により,贈与を撤回することがあります。

(撤回したからといって,税務署が必ず贈与税を免除してくれるとは限りません。)


しかし,撤回する場合,


不動産については,名義を戻す必要があり,各種費用がかかります。


贈与は,税金のことを考えないといけません。


なお,贈与税の特別控除みたいなのもありますので,税務署・税理士に相談してください。


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2010年11月28日日曜日

贈与と登記

贈与は,売買と異なり,


贈与者(あげる人)は,無料であげる=対価がないのが原則です。


贈与者が,気前よく「あげる」と言ってしまうことがあるので,


贈与は,


①契約書を作成した場合,


②ⅰ贈与物(不動産,現金,動産)を受贈者(もらう人)に引き渡した,


 ⅱ贈与物の名義を受贈者に変更した場合でなければ,


贈与者が贈与を撤回することができます。


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2010年11月27日土曜日

売買と登記4

不動産の売買契約は,


金額が高額になることもあり,


重要な出来事の一つになります。


よって,不動産の売買契約の成立は,慎重に判断されます。


契約は,口頭=口約束でも成立するのが原則ですが,


不動産の売買契約は,契約書の作成が,契約成立の基準となっていることが殆どのようです。


もし,本当に売りたい,買いたい場合は,


口約束だけでなく,早期に契約書作成の方向に動き出しましょう。




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2010年11月26日金曜日

売買と登記3

不動産が二重譲渡された場合,


第一買主と第二買主の優劣は,


不動産名義=所有権移転登記を先に備えた方が勝つことになります。


よって,買主としては,


売買代金の支払いと引換えに=同時交換的に


不動産名義の変更をする必要があります。

(実際は,売買代金の支払いと引換えに,不動産名義の変更に必要な書類を売主から受け取ります。)


不動産名義の変更手続については,必要書類が決まっているので,


書類に不備や不足があると,法務局で不動産の名義変更ができません。


法務局から,この書類では不動産の名義変更ができないといわれ,

売主に書類をくださいといっても,


不誠実な売主の場合,書類をくれないことや,売主が逃げてしまっていることがあります。


不動産名義の変更を確実にするため,


売買代金支払い時には,専門家である司法書士に立ち会ってもらいましょう。

不動産は,持って逃げることができませんが,現金は,持ち逃げが可能なのです。


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2010年11月25日木曜日

売買と登記2

不動産を売買するときに,


不動産名義を売主から買主名義に変更(所有権移転登記)していないと,


売主が,同一不動産を別の買主に売買するということが可能です。


これを「二重譲渡」といいます。


そして,第一買主と第二買主の優劣関係は,


不動産名義=所有権移転登記を先に備えた方が勝つことになります。


(例)


11月22日午前,売主Aが買主甲に不動産Xを売った。


甲は売買代金を支払ったが,不動産Xの名義を甲名義に変えなかった。


11月22日午後,売主Aが買主乙に不動産Xを売った。


乙は売買代金を支払い,不動産名義を乙名義に変えた。


この場合,不動産Xの所有権は確定的に乙のものになります。


甲は,売主Aに対し,損害賠償を請求することになります。

原則として,乙には損害賠償を請求できません。


(売主Xは,通常,逃げているので,甲が損害賠償金を得ることはほとんど不可能です。)




*不動産の名義を変更するには,


売主と買主の両方の協力(両方の書類)が必要です。


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2010年11月24日水曜日

売買と登記

不動産を売買する場合は,


売買代金の支払いと引換えに,


不動産の名義を売主から買主に変更(所有権移転登記)する必要があります。


不動産業者が仲介に入っている場合,


銀行から住宅ローンを借り入れる場合は,


司法書士が売買に立ち会いますので,


所有権移転登記が行われます。

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2010年11月15日月曜日

不動産のおとり広告

景品表示法に基づく不動産のおとり広告に関する規制

公正取引委員会HPhttp://www.jftc.go.jp/keihyo/qa/hyoujiqa.html#Q37

(ただし,平成21年9月1日以降は,消費者庁が,監督官庁です。)


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2010年11月13日土曜日

賃貸人の建物修繕義務

賃貸人は,賃貸建物に対する修繕義務を負っています。


ただし,修繕範囲は,

特約や賃貸目的などにもよるので,

一義的にはいえません。




【参照】


賃借人の賃貸人に対する修繕義務違反による損害賠償請求を否定した事例


不動産適正取引推進機構HP
http://www.retio.or.jp/info/pdf/77/77_10.pdf

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2010年11月12日金曜日

賃借人自殺の保証人の責任2

賃借人は,善管注意義務をもって,賃貸目的物を使用収益する義務があります。

善管注意義務の範囲には,

賃借人が賃貸目的物内で,自殺しない義務も含むと解されます。

よって,賃借人が自殺した場合,

原則として賃貸借契約の保証人は,損害賠償責任を負います。




【参照】

自殺した賃借人の損害について,

賃貸した部屋以外の部屋の逸失利益を否定した事例

不動産適正取引推進機構HP
http://www.retio.or.jp/info/pdf/73/73_04.pdf




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2010年11月11日木曜日

定期建物賃貸借契約の終了通知

定期建物賃貸借契約は,

あらかじめ契約で定められている期間の満了により終了します。

ただし,契約期間が,1年以上の場合は,

賃貸人は,期間満了の1年前から6ヵ月前までの間に,

賃借人に対し,契約終了の通知をしておく必要があります。

 あらかじめ契約で定められている期間の満了後に,

賃貸人が賃借人に,契約終了の通知をした場合の効力については,

法律に条文がないため,解釈に争いがあります。

 下記の下級審判例は,定期建物賃貸借契約の終了に当たり,賃貸人が契約期間満了後に終了通知をした場合でも,通知の日から6ヵ月を経過した後は,賃借人に対抗できるとした事例。

不動産適正取引推進機構HP
http://www.retio.or.jp/info/pdf/79/79_19.pdf

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2010年11月9日火曜日

賃借建物が競売になった場合2

賃借建物が競売になった場合で,

平成16年3月31日以前に,

賃貸借契約を締結していたときは

(更新により,平成16年3月31日以前から現在に至る場合も含む)

改正前の民法の規定が適用されます。

 よって,改正後の民法の規定である「建物明渡し猶予制度」は適用されません。


【参照】


上記の点を明らかにした下級審判例です。

経過措置により短期賃貸借保護制度の適用を受ける賃借人が,

同制度の適用を受けられなくなっても,

建物明渡し猶予制度の適用を受けることはできないとされた事例

不動産適正取引推進機構HP
http://www.retio.or.jp/info/pdf/79/79_17.pdf


この事例では,賃借権に優先する抵当権に基づく競売の申し立てにより,

賃貸建物が差し押さえられました。

差押え後に,賃貸借契約の期間が満了しましたが,

契約は更新されました。

この場合,賃借人は,

競売によって賃貸建物を取得した競落人に負けます。

競落人に所有権が移転したときから,

不法占有になります。

つまり,差押え後の更新は,

競落人との関係では,無効になるということです。

←差押え前に更新があった場合,原則として,競落人に対抗できます。


*平成16年4月1日以降に,

賃貸借契約を締結していた場合,

競落人に所有権が移転したときから6ヵ月間については,

対価の支払いを条件に,明渡し猶予制度が適用されます。
 



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2010年11月8日月曜日

賃貸人の建物管理義務

建物管理義務を果たさなかったことを理由とする

賃借人の賃貸人に対する損害賠償義務が否定された事例


不動産適正取引推進機構HP
http://www.retio.or.jp/info/pdf/79/79_15.pdf




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2010年11月6日土曜日

マンションの滞納管理費の回収6

マンションの滞納管理費を回収する方法として,

任意売却にしろ,競売にしろ,

新しい所有者(買い主,競落人)が出現すると,

その新しい所有者に対し,滞納管理費を全額請求することができます。

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建物の区分所有等に関する法律

(先取特権)

第七条  

 区分所有者は、共用部分、建物の敷地若しくは共用部分以外の建物の附属施設につき他の区分所有者に対して有する債権又は規約若しくは集会の決議に基づき他の区分所有者に対して有する債権について、債務者の区分所有権(共用部分に関する権利及び敷地利用権を含む。)及び建物に備え付けた動産の上に先取特権を有する。管理者又は管理組合法人がその職務又は業務を行うにつき区分所有者に対して有する債権についても、同様とする。

 前項の先取特権は、優先権の順位及び効力については、共益費用の先取特権とみなす。

 民法 (明治二十九年法律第八十九号)第三百十九条 の規定は、第一項の先取特権に準用する。



第八条  

 前条第一項に規定する債権は、債務者たる区分所有者の特定承継人に対しても行うことができる。

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2010年11月5日金曜日

マンションの滞納管理費の回収5

マンションの滞納管理費を回収する

①管理費の請求訴訟を起こし,判決に基づき強制競売を申し立てる。

②区分所有法7条の先取特権に基づき担保不動産競売を申し立てる。

のいずれの方法も,競売による売却代金の配当は,

先順位の担保権(住宅ローンの抵当権など)など,

法定納期限が先に到来している租税債権などに,

劣後します。

つまり,売却代金は,先に担保権や租税債権に充当され,

それでも余りがあった場合に,滞納管理費に充当されることになります。

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2010年11月4日木曜日

マンションの滞納管理費の回収4

マンションの管理費を滞納する区分所有者を追い出す方法として,


区分所有法59条に基づき,不動産競売を申し立てる方法があります。


区分所有者は、建物の保存に有害な行為その他建物の管理又は使用に関し区分所有者の共同の利益に反する行為をしてはならず,


区分所有者の共同生活上の障害が著しく


他の方法によつてはその障害を除去して共用部分の利用の確保その他の区分所有者の共同生活の維持を図ることが困難であるときは、


他の区分所有者の全員又は管理組合法人は、集会の決議に基づき訴えをもつて


当該行為に係る区分所有者の区分所有権及び敷地利用権の競売を請求することができます。


建物の管理は,通常,管理費によって賄われており,


滞納管理費が多額に及ぶと,区分所有者の共同生活上の障害が著しくなると解されるからです。 



本条の要件としては,


①区分所有者の共同生活上の障害が著しいこと


②集会の決議で区分所有者及び議決権の各4分の3以上が賛成すること


③訴訟をすること


が必要です。




*なお,この方法は,滞納している区分所有者を追い出すためのもので,


滞納管理費を回収するには,


管理費の請求訴訟を提起し,判決を得て,一般債権者として


または,区分所有法7条に基づく先取特権者として


別途,配当要求する必要があります。

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建物の区分所有等に関する法律


(区分所有者の権利義務等)

第六条  

 区分所有者は、建物の保存に有害な行為その他建物の管理又は使用に関し区分所有者の共同の利益に反する行為をしてはならない。

 区分所有者は、その専有部分又は共用部分を保存し、又は改良するため必要な範囲内において、他の区分所有者の専有部分又は自己の所有に属しない共用部分の使用を請求することができる。この場合において、他の区分所有者が損害を受けたときは、その償金を支払わなければならない。

 第一項の規定は、区分所有者以外の専有部分の占有者(以下「占有者」という。)に準用する。





(使用禁止の請求)

第五十八条  


 前条第一項に規定する場合において、第六条第一項に規定する行為による区分所有者の共同生活上の障害が著しく、前条第一項に規定する請求によつてはその障害を除去して共用部分の利用の確保その他の区分所有者の共同生活の維持を図ることが困難であるときは、他の区分所有者の全員又は管理組合法人は、集会の決議に基づき、訴えをもつて、相当の期間の当該行為に係る区分所有者による専有部分の使用の禁止を請求することができる。

 前項の決議は、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数でする。

 第一項の決議をするには、あらかじめ、当該区分所有者に対し、弁明する機会を与えなければならない。

 前条第三項の規定は、第一項の訴えの提起に準用する。




(区分所有権の競売の請求)
第五十九条  


 第五十七条第一項に規定する場合において、第六条第一項に規定する行為による区分所有者の共同生活上の障害が著しく、他の方法によつてはその障害を除去して共用部分の利用の確保その他の区分所有者の共同生活の維持を図ることが困難であるときは、他の区分所有者の全員又は管理組合法人は、集会の決議に基づき、訴えをもつて、当該行為に係る区分所有者の区分所有権及び敷地利用権の競売を請求することができる。

 第五十七条第三項の規定は前項の訴えの提起に、前条第二項及び第三項の規定は前項の決議に準用する。

 第一項の規定による判決に基づく競売の申立ては、その判決が確定した日から六月を経過したときは、することができない。

 前項の競売においては、競売を申し立てられた区分所有者又はその者の計算において買い受けようとする者は、買受けの申出をすることができない。


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2010年11月3日水曜日

マンションの滞納管理費の回収3

マンションの滞納管理費を回収する方法として,


区分所有法7条の先取特権に基づいて担保不動産競売を申し立てる方法があります。


この方法の長所;


競売の申し立てにあたり,裁判所で訴訟をする必要がありません。


区分所有法7条に基づく先取特権という法定担保権が認められているからです。

この方法の短所:


①先取特権の存在を立証する必要があります。


②建物に備え付けた動産に対する担保権の実行では,


請求債権額に足りないことを立証する必要があります。


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2010年11月2日火曜日

マンションの滞納管理費の回収2



マンションの滞納管理費を回収する方法として,


管理費の請求訴訟に基づき,判決をとって,強制競売を申し立てる方法があります。


この方法の長所:


管理費の消滅時効は,5年なので,


管理費の滞納期間が5年を超えると消滅時効にかかります。


そこで,管理費の請求訴訟をして,判決を得れば,


滞納管理費の消滅時効の期間は,判決確定時から10年に延長されます。



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2010年11月1日月曜日

マンションの滞納管理費の回収

マンションの滞納管理費を強制回収する場合,

滞納している区分所有者の預貯金,給料債権,動産などとともに,

滞納しているマンション自体の区分所有権を対象とすることもできます。

方法としては,

①管理費の請求訴訟を起こし,判決に基づき強制競売を申し立てる。

②区分所有法7条の先取特権に基づき担保不動産競売を申し立てる。

があります。



*なお,競売の申立てをしても,競落人(買い手)がいないと,

滞納管理費を回収することはできません。

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2010年10月31日日曜日

差し押さえられた賃料5

差し押さえられた賃料債権を,



賃借人が,



民事執行法156条2項に基づき,義務供託をする場合は,



供託費用を執行裁判所に請求することができます。



民事訴訟費用等に関する法律28条の2第1項に基づき,



1:供託するために要する旅費、日当及び宿泊料



2:供託所に出頭しないで供託することができるときは、供託に要する書類及び供託金の提出の費用 

 並びに供託書正本の交付を受けるために要する費用



3:供託に要する書類及び供託の事情の届出の書類の作成の費用



4:供託の事情の届出の書類の提出の費用



5:供託に要する書類で官庁その他の公の団体の作成に係るものの交付を受けるために要する費用



に限って,請求することができます。



ただし,供託の事情の届出をするまでに,



執行裁判所に対して,請求する必要があります。



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(第三債務者の供託の費用の請求等)



第二十八条の二 



 民事執行法第百五十六条第二項又は滞納処分と強制執行等との手続の調整に関する法律(昭和三十二年法律第九十四号)第三十六条の六第一項(これらを準用し、又はその例による場合を含む。)の規定により供託した第三債務者は、次の各号に掲げる費用を請求することができるものとし、その額は、それぞれ当該各号に定めるところによる。



一 供託するために要する旅費、日当及び宿泊料 第二条第四号及び第五号の例により算定した額



二 供託所に出頭しないで供託することができるときは、供託に要する書類及び供託金の提出の費用並びに供託書正本の交付を受けるために要する費用 提出又は交付一回につき第二条第十八号の例により算定した額



三 供託に要する書類及び供託の事情の届出の書類の作成の費用 供託又はその事情の届出一件につき最高裁判所が定める額



四 供託の事情の届出の書類の提出の費用 提出一回につき第二条第十八号の例により算定した額



五 供託に要する書類で官庁その他の公の団体の作成に係るものの交付を受けるために要する費用 交付一回につき第二条第七号の例により算定した額2 前項の費用は、第二十七条の規定にかかわらず、供託の事情の届出をする時までに請求しないときは、支給しない。



3 第一項の費用は、供託金から支給する。



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2010年10月30日土曜日

差し押さえられた賃料4

賃料債権に対する差押えの効力は,



差押債権者の回収した金額が,差押債権額に達するまで,効力が継続します。



したがって,差押債権額に達するまでの賃貸借期間においては,



賃借人は,毎月の賃料を弁済期(支払期日)までに



差押債権者に直接支払ったり,供託する必要があります。



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2010年10月29日金曜日

差し押さえられた賃料3

民事執行法156条2項に基づく,義務供託の場合,



賃借人は,賃料を供託しなければなりません。



供託しなくても,刑事罰はありませんが,



賃料債権の弁済期から供託した日までの日数に応じて,



遅延損害金(民事法定利率年5%,または,商事法定利率年6%)も支払わなければなりません。



 

*差押債権者に直接支払う場合も,



民事執行法156条1項に基づく,権利供託の場合も,



弁済期の経過後は,遅延損害金が発生します。



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2010年10月28日木曜日

差し押さえられた賃料2

賃貸人の賃借人に対する賃料債権が,差し押さえられた場合,



賃借人は,



差押債権者に直接支払う方法もありますが,



民事執行法156条1項により,供託所(法務局)に供託することもできます(権利供託)。



しかし,



差押えが競合して,各差押債権額の合計が,



賃料債権額を超過する場合は,



民事執行法156条2項により,かならず,供託所に供託しなければなりません(義務供託)。



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2010年10月27日水曜日

差し押さえられた賃料

賃貸人が,銀行のローンを滞納した場合,


賃貸人の賃借人に対する賃料債が,


(=賃借人の賃貸人に対する賃料債


銀行により差し押さえられることがあります。


 この場合,賃借人は,賃貸人に対して,賃料を支払っても,無効です。


賃借人は,差押債権者である銀行に対して,賃料を支払う必要があります。



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2010年10月26日火曜日

現況調査

民事執行法64条の2に基づく,



「内覧」=競売物件の室内の見学と異なる制度に,



現況調査(民事執行法57条)という制度があります。



現況調査も,裁判所の執行官が行います。



現況調査は,内覧と異なり,



①競売物件に対して,必ず実施されます。



②現況調査を実施する執行官には,



強制力の行使が認められており,



占有者(住んでいる人)の承諾がなくても,立ち入ることができます。



閉鎖されたドアも,カギ屋さんに依頼して開錠することができます。





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(現況調査)
第五十七条
 

 

 執行裁判所は、執行官に対し、不動産の形状、占有関係その他の現況について調査を命じなければならない。


 執行官は、前項の調査をするに際し、不動産に立ち入り、又は債務者若しくはその不動産を占有する第三者に対し、質問をし、若しくは文書の提示を求めることができる。


 執行官は、前項の規定により不動産に立ち入る場合において、必要があるときは、閉鎖した戸を開くため必要な処分をすることができる。


 執行官は、第一項の調査のため必要がある場合には、市町村(特別区の存する区域にあつては、都)に対し、不動産(不動産が土地である場合にはその上にある建物を、不動産が建物である場合にはその敷地を含む。)に対して課される固定資産税に関して保有する図面その他の資料の写しの交付を請求することができる。


 執行官は、前項に規定する場合には、電気、ガス又は水道水の供給その他これらに類する継続的給付を行う公益事業を営む法人に対し、必要な事項の報告を求めることができる。



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2010年10月25日月曜日

内覧4

民事執行法64条の2に基づく「内覧」=競売物件の室内の見学ですが,



占有者(住んでいる人)の占有権原が,



差押債権者に対抗できない場合,


拒絶することができません。



この占有者(住んでいる人)の占有権原が,


差押債権者に対抗できない例は,下記のとおりです。





①平成16年4月1日以降において,



賃貸借契約を「新規」に締結したこと。



*賃貸借契約が平成16年4月1日以降において「更新」された場合は,



占有権原を差押債権者に対抗できるときがあります。





②その賃貸物件に対し,賃貸借契約より「」に抵当権の設定登記がされたこと。



*賃貸人はマンション・アパートの建築に伴い,



銀行からお金を借りているので,銀行の抵当権が設定されているのが通常です。



よって,ほとんどの賃貸物件で,賃貸借契約より先に,抵当権の設定登記がされています。





←要約すると,平成16年4月1日以降,新規に賃貸借契約を締結したほとんどの人は,



占有権原を差押債権者に対抗できません





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2010年10月24日日曜日

内覧3

民事執行法64条の2に基づく,「内覧」=競売物件の室内の見学は,


占有者(住んでいる人)の占有権原が,


差押債権者に対抗できない場合,


拒絶することができません。


しかし,内覧を実施する執行官には,


強制力の行使が認められていないので,


カギのかかったドアを開錠することはできません。



*なお,占有者(住んでいる人)の占有権原が,

差押債権者に対抗できない場合において,



正当理由なく,内覧実施を拒絶した場合は,


30万円以下の罰金に処せられることがあります。


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2010年10月15日金曜日

内覧2

民事執行法64条の2に基づく「内覧」=競売物件の室内の見学は,



差押債権者が裁判所に申立てなければ,



実施されることはありません。



したがって,競売物件を買いたい人が,当然に室内を見学できるわけではありません。







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内覧

不動産の売買では,

通常,物件の室内を見学させること=「内覧」が行われています。

対して,競売物件の場合は原則として,室内を見学することができません。

ただし,民事執行法にも「内覧」という制度があります。

平成15年の法改正で設けられました。

ただし,占有者(住んでいる人)の占有権原が,

差押債権者に対抗できる場合で,

占有者が内覧に同意しない場合は,

内覧することができません。

つまり,占有者の占有権原が,

差押債権者に対抗できない場合は,

内覧を拒絶できません。

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民事執行法
(内覧)
第六十四条の二 

 執行裁判所は、差押債権者(配当要求の終期後に強制競売又は競売の申立てをした差押債権者を除く。)の申立てがあるときは、執行官に対し、内覧(不動産の買受けを希望する者をこれに立ち入らせて見学させることをいう。以下この条において同じ。)の実施を命じなければならない。
 
 ただし、当該不動産の占有者の占有の権原が差押債権者、仮差押債権者及び第五十九条第一項の規定により消滅する権利を有する者に対抗することができる場合で当該占有者が同意しないときは、この限りでない。

2 前項の申立ては、最高裁判所規則で定めるところにより、売却を実施させる旨の裁判所書記官の処分の時までにしなければならない。

3 第一項の命令を受けた執行官は、売却の実施の時までに、最高裁判所規則で定めるところにより内覧への参加の申出をした者(不動産を買い受ける資格又は能力を有しない者その他最高裁判所規則で定める事由がある者を除く。第五項及び第六項において「内覧参加者」という。)のために、内覧を実施しなければならない。

4 執行裁判所は、内覧の円滑な実施が困難であることが明らかであるときは、第一項の命令を取り消すことができる。

5 執行官は、内覧の実施に際し、自ら不動産に立ち入り、かつ、内覧参加者を不動産に立ち入らせることができる。

6 執行官は、内覧参加者であつて内覧の円滑な実施を妨げる行為をするものに対し、不動産に立ち入ることを制限し、又は不動産から退去させることができる。

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2010年8月18日水曜日

家賃・地代の消滅時効3

家賃・地代の消滅時効は,5年ですが



時効中断の手続きを取って,



消滅時効をゼロにしたところで,



滞納家賃を支払ってくれなければ,どうしようもありません。



訴訟をしたところで,相手に支払い能力がなければどうしようもありません。



賃貸借契約は,途中で立場が逆転することがあります。



賃貸人の方から,



これ以上の損害(滞納賃料の増加,強制執行の費用,ゴミの処分代,ゴミの悪臭による他の賃借人からの苦情など)を増やさないために,



「お願いだから,出て行ってくれ。」



と,頭を下げないといけない場合があります。



自分の立ち位置は,なかなか自分では把握できません。



重傷になる前に,専門家に相談してください。





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2010年8月16日月曜日

家賃・地代の消滅時効2

家賃・地代の消滅時効は,5年です。


消滅時効の進行をゼロに戻す方法(時効中断の手続き)は,いくつかありますが,


単純なのは,下記のいずれかです。


①賃借人に一部でも滞納家賃を支払ってもらう。


②賃借人に家賃滞納の承認書を書いてもらう。


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2010年8月11日水曜日

家賃・地代の消滅時効

家賃や地代の請求権は,



支払期から5年の経過で,消滅時効にかかります。



(例)



賃料は毎月末日払いの約束の場合



平成22年7月末の賃料および8月末の賃料を滞納したら,



7月末の賃料は,平成27年7月末日の経過により,消滅時効にかかります。



8月末の賃料は,平成27年8月末日の経過により,消滅時効にかかります。





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(定期給付債権の短期消滅時効)
民法 第百六十九条
 



 年又はこれより短い時期によって定めた金銭その他の物の給付を目的とする債権は、五年間行使しないときは、消滅する。





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2010年8月9日月曜日

借家契約の解除4(賃貸人からの申入れ)

賃貸人から借家契約を解除する場合,


正当事由が必要です。



しかし,賃借人が家賃を滞納していた場合は,


当然ですが,


契約の解除が認められます。



ただし,解除をするには,


いままでの家賃支払い状況にもよりますが,


3ヵ月分以上の家賃滞納が必要とされています。




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2010年8月6日金曜日

定期借家契約の解除(賃借人からの申入れ)

定期借家契約は,



賃料滞納や使用目的違反などの契約違反がない限り,



契約を解除することができません。



ただし,賃借人は,



居住の用に供する建物の賃貸借(床面積が二百平方メートル未満の建物に係るものに限る。)において、



転勤、療養、親族の介護その他のやむを得ない事情により、



建物の賃借人が建物を自己の生活の本拠として使用することが困難となったときは、



建物の賃借人は、建物の賃貸借の解約の申入れをすることができます。



この場合,建物の賃貸借は、解約の申入れの日から一月を経過することによって終了します。



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2010年8月5日木曜日

借家契約の解除3(賃貸人からの申入れ)

賃貸人から借家契約を解除をする場合,



正当事由の有無が重要になります。



正当事由の有無は,



①建物の賃貸人及び賃借人が建物の使用を必要とする事情=主たる要素



②建物の賃貸借に関する従前の経過=従たる要素



③建物の利用状況=従たる要素



④建物の現況=従たる要素



⑤建物の賃貸人が建物の明渡しの条件として又は建物の明渡しと引換えに建物の賃借人に対して財産上の給付をする旨の申出=いわゆる立退料=補完要素



を考慮して判断します。



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2010年8月4日水曜日

借家契約の解除2(賃貸人からの申入れ)

賃貸人(家主)からの申入れで



借家契約を解除する場合で



→契約期間の定めがあるとき。



解約の要件として,下記のすべてを満たす必要があります。



①契約期間の満了の1年前から6ヵ月前までに



賃貸人が賃借人に対し,借家契約の更新拒絶の通知をすること。



②賃貸人の更新拒絶について正当事由があること。



③もし,契約期間の満了後も,賃借人が物件の使用を継続していた場合,



賃貸人が賃借人に対し,遅滞なく異議の申し立てをすること。





*賃貸借契約において,賃貸人と賃借人の特約条項によっても,



賃貸人からの解約申し入れの条件を緩和することはできません。



そのような特約条項は,無効です。



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