最判平17年12月16日判タ1200号127頁(通常損耗負担特約)と
最判平23年3月24日民集65巻2号903頁(敷引特約)との関係性
最判平17年は,通常損耗の補修義務を賃借人に負わせる特約につき,厳格に解したと理解されています。
賃借人は賃貸借契約の締結時において,退去時の通常損耗の補修費用の金額を具体的に予想することが困難であり,結果として予想外の高額な補修費用を請求されるおそれがあることから,最高裁は厳格に解したと想定されます。
一方,最判平23年は,本件敷引特約が消費者契約法10条により無効であるということはできないと判示しました。
賃貸借契約の締結前の段階で,契約書に敷引金の額が確定金額として明示されており,賃借人が契約書の敷引特約を認識した上で契約を締結することから,予想外の高額な費用を請求されるおそれがなく,敷引金の額が高額に過ぎるものではなかったので,最高裁は有効と判示したと想定されます。
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