定期借家契約とは,通常の借家契約と次の点で異なります。
【貸主の長所】
1 賃貸期間が終了すると,借家契約は更新されず,終了します。
(通常の借家契約は,借主が借家契約の継続を望むと,借家契約を更新しなければなりません。
貸主が契約の更新を拒絶したい場合,正当事由が必要です。)
2 賃貸借期間を1年未満とすることができます。
(通常の借家契約は,賃貸借期間が1年未満の場合,賃貸期間の「定めがない」,ものとして扱われます。)
【借主の長所】
1 賃貸借期間終了により,必ず借家契約が終了し,貸主が安心できるので,賃料が安くなる傾向があります。
2 賃貸借期間終了により,必ず借家契約が終了し,貸主が安心できるので,借家契約成立時の審査が緩くなる傾向があります。
【貸主の短所】
1 借家契約の締結時に,定期借家契約であること,通常の借家契約と異なることの説明および説明書の交付が必要になります。
2 あらかじめ賃貸借期間満了の6ヵ月前までに,賃貸借期間が終了する旨の通知しなければなりません。
【借主の短所】
1 中途解約の特約がない限り,賃貸借期間の途中で,解約をすることは,原則できません。
ただし,床面積が200平方メートル未満の居住用建物で,やむを得ない事情(転勤,入院,介護など)により,生活の本拠として使用できなくなった場合は,法律により解約できます。
2 賃貸借期間の満了により,更新されず借家契約は終了するので,借家を明け渡すことになります。
*定期借家契約の利用方法としては,
貸主は,転勤で1~3年くらい,家を空けるときで,
借主は,学生で,賃貸借期間満了時には,卒業する,
というのが,理想ではないでしょうか?
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