①旧借地法第4条第2項によると,
借地権者(賃借人)が建物買取請求権を行使できるのは,借地契約の更新がない場合とされています。
したがって,借地契約の存続期間が満了して,更新がない場合ということになりますので,
借地契約の存続期間中において,借地権者からの中途解約の申し出に際しては,
建物買取請求権を行使することはできません。
②判例によると,合意解約の場合は,原則として建物買取請求権の放棄の意思表示があるものとされています。
したがって,借地契約の存続期間が満了した場合において,
借地権設定者(賃貸人)は,合意更新または法定更新に異議をのべないが,
借地権者は,借地契約を終了したいときは,
合意解約ということになりますので,合意解約の契約内容にもよりますが,
原則として,借地権者は建物買取請求権を行使できないことになります。
③借地権設定者(賃貸人)は,
借地権者から建物買取請求権を行使されたくなければ,
合意更新または法定更新に異議を述べずに,
借地上の建物が朽廃するまで,借地契約を存続させておけばよいということなります。
④借地権者の相続人が行方不明になる前に,借地上の建物を取り壊した方がよい場合もあり得ます。
勝手に借地上の建物を取り壊した場合は,建造物損壊罪になりますし,勝手に建物の滅失登記を申請すれば,私文書偽造罪および同行使罪ならびに電磁的公正証書原本不実記録罪になります。
借地権設定者は,建物買取請求に応じる必要がない場合であっても,ケースバイケースで対応しましょう。
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