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2019年4月1日月曜日
債権法改正と連帯保証の消滅時効の完成猶予・更新
(1)現行民法(債権法改正前)においては,民法458条及び民法434条により,
連帯保証人に対する履行の請求は,主たる債務者に対してもその効力が生じる。
よって,債権者が債権の時効を中断する方法としては,
連帯保証人のみを被告として訴訟を提起して,
勝訴判決(確定判決)を獲得する方法によっても,
主たる債務者に対して時効の中断効を及ぼすことができる。
主たる債務者が行方不明で公示送達の手続が煩雑な場合などには,
連帯保証人のみを被告とする方法は,主たる債務者に対する簡易な時効中断の方法といえる。
なお,債権者の連帯保証人に対する確定判決による時効期間の10年間への延長効(民法174条の2)は,主たる債務者には及ばない(太判昭和20年9月10日民集24・2・82)。
(2)債権法の改正により,民法434条は削除されることとなったため,
債権法改正の以後は,原則として連帯保証人に対する履行の請求は,主たる債務者には及ばないこととなった。主たる債務の時効を中断するため,連帯保証人のみを被告とする方法は採れなくなった。
ただし,改正民法459条により,別段の意思表示によることが認められているため,
特約により,連帯保証人に対する請求を主たる債務者にも及ぼすことはできるようになっている。
(3)債権法の改正前後を問わず,連帯保証人の債務の承認(権利の承認)は主たる債務者には及ばないので,
債権者と連帯保証人が裁判外で和解をする方法では,主たる債務の時効は中断されない(更新されない。)。
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事務所 札幌市中央区
(石原拓郎司法書士・行政書士・社会保険労務士事務所)のHP
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