土地の境界について,隣地と紛争が生じた場合,
「筆界特定」制度により,筆界(境界)紛争を解決できるかもしれません。
平成18年1月20日から,
従来の「筆界確定訴訟(裁判)」の他に
筆界特定制度が創設されました。
この制度は,筆界特定登記官(土地に関する専門の行政機関)が,
過去における筆界(公法上の境界)を特定するものです。
したがって,
長年の占有により,筆界を越境した部分に関し,時効取得が成立する場合,
(時効取得により,土地の所有権の範囲が変更されます。)
筆界特定制度は使えません。
筆界特定制度は,現在の所有権の範囲を特定するのではなく,
過去の筆界(公法上の境界)を特定するに過ぎないからです。
したがって,過去から現在までの間に,境界に変更が生じているような場合は,
対象外になります。
*筆界特定制度を利用すれば,
隣地との境界の目印が不明になった場合で,
もう一度,その境界を明らかにするとき,
公平な第三者である筆界特定登記官を交えることにより,
過去の境界を復元できます。
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法務省民事局のQ&A http://www.moj.go.jp/MINJI/minji104.html
Q3
筆界とは何ですか。一般的にいう境界とは違うのですか。
A3
「筆界」とは,ある土地が登記された時にその土地の範囲を区画するものとして定められた線であり,所有者同士の合意等によって変更することはできません。 これに対して,「境界」という語は,所有権の範囲を画する線という意味で用いられることもあり,その場合には,筆界とは異なる概念となります。筆界は所有権の範囲と一致することが多いのですが,一致しないこともあります。
Q4
筆界の特定とは何ですか。
A4
ある土地が登記された時にその土地の範囲を区画するものとして定められた線(筆界)を,現地において特定することです。新たに筆界を決めるものではなく,調査の上,登記された時に定められたもともとの筆界を,筆界特定登記官が,明らかにすることです。
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