定期建物賃貸借契約は,契約の更新がされることはなく,期間の満了に伴い,確定的に賃貸借契約が終了することになっています。
しかし,定期建物賃貸借契約の再契約(更新ではない)を締結することは禁止されていません。
国土交通省の定期賃貸住宅標準契約書(改訂版)の第2条第2項には,
「本契約は、前項に規定する期間の満了により終了し、更新がない。ただし、甲及び乙は、協議の上、本契約の期間の満了の日の翌日を始期とする新たな賃貸借契約(以下「再契約」という。)をすることができる。」
との記載がされており,再契約に関する契約条項を設けることも可能です。
ただし,再契約を確約するような契約条項及び事前説明があった場合は,定期建物賃貸借契約ではなく普通建物賃貸借契約との主張をされる可能性がありますので,注意が必要です。
再契約の内容については,従前の契約と同一内容である必要はありません。賃貸人及び賃借人の合意内容に基づきます。
再契約の場合は,あらためて書面による契約及び事前説明(更新がないこと)が必要になります。
敷金の交付及び保証契約の締結なども,あらためて手続きをおこなう必要があります。
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国土交通省 定期賃貸住宅標準契約書(改訂版)
(契約期間)
第2条 契約期間は、頭書(2)に記載するとおりとする。
2 本契約は、前項に規定する期間の満了により終了し、更新がない。ただし、甲及び乙は、協議の上、本契約の期間の満了の日の翌日を始期とする新たな賃貸借契約(以下「再契約」という。)をすることができる。
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札幌市中央区 石原拓郎 司法書士・行政書士・社会保険労務士事務所
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