分譲マンションの瑕疵(欠陥)により,漏水等の被害が発生することがあります。
築年数の経過したマンションでは,配水管の老朽化による漏水が増加傾向にあるようです。
瑕疵が,専有部分にある場合は,区分所有者が損害賠償責任を負います。
瑕疵が,共用部分にある場合は,管理組合(区分所有者全員)が損害賠償責任を負います。
しかし,マンションは構造が複雑となっているため,漏水場所が専有部分に該当するのか共用部分に該当するのかを判断できない場合があります。
そのため,区分所有法9条は,「瑕疵は、共用部分の設置又は保存にあるものと推定する。」と規定して,瑕疵の場所が不明の場合は共用部分に該当するものとして,被害者の立証責任を軽減しています。
区分所有法9条は,瑕疵の場所についての推定規定ですので,損害の発生が,マンションの設置又は保存によるものであることについては,被害者が立証しなければなりません。
なお,漏水の原因が,上階の洗濯機の排水ホースが外れたことによる場合,お風呂やトイレの水のオーバーフロー(溢れた水)による場合等は,マンションの設置又は保存に瑕疵があることによるものではありませんので,区分所有法9条は当然ながら適用されません。
その場合は,上階の区分所有者及び賃借人が損害賠償責任を負います。
損害賠償保険(火災保険)に加入している場合は,損害保険金が支給される場合がありますので,保険会社に確認してみましょう。
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
民法
第七百十七条 土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。
建物の区分所有等に関する法律
第九条 建物の設置又は保存に瑕疵があることにより他人に損害を生じたときは、その瑕疵は、共用部分の設置又は保存にあるものと推定する。
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
札幌市中央区 石原拓郎 司法書士・行政書士・社会保険労務士事務所
当事務所のHP http://ishihara-shihou-gyosei.com/
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
札幌市中央区 石原拓郎 司法書士・行政書士・社会保険労務士事務所
当事務所のHP http://ishihara-shihou-gyosei.com/